夏の盃
家の庭で一番大きな花が咲く泰山木です。
祖母が疎開してきた時、二人の子どもをかかえ苦労して生活していた時
大きな裕福そうなお家にこの木があって花が咲いたらきれいで
いつか私もこんな木を庭に…と憧れていたそうです。
この花を見ると、祖母の話と、「夏の盃」という物語の布袋様の徳利の話を思い出します。物語の中で、徳利の付喪神がおんおんと泣くのでどうした事かと尋ねると
「自分と対でつくられた盃が割れてしまい酒が飲めなくなってしまった」
と嘆くので、主人公が「酒が飲めると解れば泣き止むか?」と問うと、はいと言うので
ちょうどこの季節だったので、泰山木の花を切ってきて、この花びらで酒を飲ましてやる。
これなら毎年咲くしなくならない盃だと。付喪神が飲めるかためしてみると「花の良い香りじゃ」と飲め、「うれしやのう」といってもとの徳利にもどる。というシーンです。
自分もそれを試してみたくてやってみました。
中身はお酒じゃなくて水ですが、とてもよい香りでした。
でかいです。一番小さな花びらでも…でかいです。
はなと花